オリンピアパークで考えた:子どものこと教育のこと人道支援のこと
ドイツは人に優しい
ドイツという国が人に優しい
人だけでなく動物にも自然にも権利があるような考え方をしているから
街は緑であふれているし
公園では犬のフンを処理するシステムまで整っていて
犬たちはとてもお行儀よく
飼い主と一緒に自然を楽しんでいる
↑公園内で見かけるこれ
フンをとるためのビニール袋が置かれていてゴミ箱に捨てて帰れます
ミュンヘンはここのところ雨模様で
いっきに20度くらいの気温となりました
その前日には「38度」と表示された気温計をウィーンの街でみかけたから
一気に20度近く下がっていることになります
この気温差はヨーロッパでありがちなので
夏にだってコートを忘れてはいけないのです
雨が少し上がった今日の午後は
友だちがオリンピアパークに連れて行ってくれました
1972年にミュンヘンオリンピックの会場となった場所で
スタジアムやプール
ミュンヘン中が見渡せる丘があったり
湖があったりタワーがあったり
遊園地があったり
色々なお店もあって
これだけで伝わるでしょうが とても賑やかなところ
そこで子どもたちが参加できる
ありとあらゆるワークショップが行われていました
映画の撮影を体験できたり
ダンスのレッスンがあったり
劇のレッスンがあったり
ペイントできたり
工作ができたり
もうたっくさん!
これが夏の間中行われてるんだそう
しかも無料です
こうやって夏の間に行われるワークショップのパンフレットは
B5より少し小さいサイズで 5ミリ以上もの厚さでした
ミュンヘンは最近 家賃がクレイジーなくらい高騰しているらしいのだけど
貧しい家庭も普通にある
どんな家庭の子どもでも
芸術に触れたり
感性を養う場を提供するために 無料なんだとか
こんなに子どもが楽しめて
感性を磨けるイベントが惜しみなく行われる国や地域は
単純に素直にとても羨ましい
そう思っていたら思い出したハンガリーでの会話
「日本は人材育成にお金をかけないよね」
と言われました
日本は経済的に豊かだと言われていたのに今はそのランクも下がり
他の国の経済が安定しても 日本だけは伸び悩んでいる
たとえば中国は
人材育成にものすごくお金をかけ
世界を相手にできる人材に育てるためのチャンスを積極的に与えている
とも言われました
これを教えてくれた彼は
半分日本人で 注意深く でも冷静に日本を見ています
日本の未来をちょっと案じてもいるようです
わたし自身 今も奨学金を返済していて
それは自分が受けた教育へ支払う当然のものとして捉えていましたが
人を豊かに育てる国や行政を知り
教育を重視している国を知ると
これまでとは違う考えも芽生えてきます
これまで行った国を見ても
英語が話せるのは結構当然で
それどころか3ヶ国語、4ヶ国語話せる人もザラにいることが分かり
それでいて愛国心があって
環境への関心も高く
隣人に親切にすることが当然とされている様子を見るとなおさら
日本 大好きだけどね
日本だからこその良さがあるとも思っているけどね
ただ 知らなかった視点を持つことはとても楽しいです
その上で何を選ぶかは人それぞれ
いくつになっても学びや感動があり
選択肢は いつだって思ったより多いことを知ります
友人に
「ドイツって人に優しい国だよね」
と言うと
「歴史が歴史だからね」
という答えが返ってきました
ドイツはホロコースト以降
本当によく頑張ってる(上からwww)
主観ですが
こうした 人への投資や
難民救援には『償い』という意味も多くある
ということが伺えます
また 歴史の扱いもとてもよく気をつけられていて
例えば
「ホロコーストが起こったのは実はうそ」
だとか
「実はこんなに多くは犠牲になってない」
「この歴史表記は間違っている」
なんて意見を言えば処罰の対象となります
ちょっと厳しくも感じられるかもしれませんが
歴史はどこでだって曲げられたり
隠されたりしてしまいます
そうさせない為の法令がここにあるのです
一方で 今もナチスドイツを崇拝する組織も存在しますが
恐ろしい歴史もオープンにして
決して繰り返さないという強い意志が
今の国の制度にもあらわれているようです
ここでもハンガリー同様
ホロコーストと現在の難民問題は繋がっていることが理解できました
そういえばこのパークではアラブ系の人も多く見かけましたが
表情がとても明るくて柔らかい
総じて明るい
これだけで人の幸福を判断できるものでないのは重々承知していますが
わたしはどうしたってそれは嬉しいし
多くの難民がドイツを目指す理由が
社会保障費や支援金などの数字を見る以上に納得できるのでした
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