シリアの家庭料理と平和とお金と

シリア人のご家庭で
シリアの家庭料理をいただいてきました


シリアのお母さんがされているサービスで
一食いただいて、お食事代をお支払いするというもの

国際NGOでインターンをしている学生けんたくんに教えてもらいました



ズッキーニやナスに混ぜご飯を詰めたマハーシ

トマト、パクチー、小さく切ったパンを揚げた中東版クルトンが入った
ファトゥーシというサラダ

トマトベースの飲みやすいスープ

中にジャムやナッツのペーストが入ったクッキー


どれも本当に美味しかった



中東料理、美味しいんですよ!!

来る前は心配してたけど
かなり美味しくて

必ずお肉があるわけでもないし結構安心して食べれます

野菜不足が気になっていたので
今日いただけたのは本当にありがたかった


2日かけて手のかかる伝統の家庭料理を作ってくださいました


イスラムの文化では家族以外の異性が一緒に食事をするのはタブーとされているけど
お父さんも息子さんも一緒にいただきました

「そういう伝統も家庭によっては少しずつ変わってきてるのよ」
と教えてくれました




ヨルダンでは難民の受け入れ数は
沸点に達していると何年も前に言われていました

とりあえず戦火から逃れられる場所として門を開けて入るけれども
そもそもそんなに豊かではなく
保護は十分とは言えません
(ヨルダン、ほんと頑張ってると思う
みんな大好きな国王、私も大好き尊敬する)


民間団体や国連機関も支援に入っているけど
各家庭の経済状況はとても厳しいようです


学校に行かずに親の商売を手伝わなければならない子もいます



今日お邪魔してきたこのご家庭も
家計の苦しさを一番に強くおっしゃっていました


お母さんはこうやって人を受け入れたり
英語やアラビア語を時々教える機会を作っています
ときどきJICAでもお仕事をされるそうです

お父さんは依頼があれば家庭の電気などの設備を整えたり修理して
収入を得ていますが それも時々です


20歳の息子さんは
ヨルダンの大学でプログラミングを学んでいます




6年前まで暮らしていたシリアは
安全とは言えないけど 必ずしも危険ではない状況だったそうですが
息子さんの大学進学のためヨルダン行きを決めたそうです


できれば学部を卒業しても
院まで行かせたいと言っているけど
大学の費用を考えるとそれは不可能のよう



そもそもヨルダンは物価が高いです
収入と物価のバランスがとても悪い

「どうやって生きていけるの?」と思うほど。

マンションも ここは郊外で広いですが50000円くらいするし
食費も 移動にも結構なお金がかかります

大学にまともにバスで行くなら
往復2000円以上かかるそうで
できるだけ車を持っている友達に乗せてもらってるとか


今、シリアに残っている人に
避難することを勧めますか?
と聞いたところ
「勧めない」と言っていました


それは経済状況から。

「身の危険を感じるほどでないなら
シリアにとどまったほうがいいと思う」

とご意見を聞かせてくれました


ヨルダンの失業率は20%近く
65歳のお父さんが安定的に働くことは難しい



だけどね
誰でもそうですが
「難民」と言っても「人」なんです


ヨルダンに来るまでは
シリアのダマスカス近郊に暮らし
お父さんはエンジニア
お母さんは英語教師をされてました


家は2戸も建て 車もあり
裕福な生活だったそうです

今、その車は親族が使っているそうです


でも2000年に建てたという家は。

家具が盗まれ
家の中はめちゃめちゃに破壊されていました
一部には火の後もありました


その側を通るときに知人が撮ってくれたという写真を見せてもらいました


自分が建てた家
家族で暮らした家

こんなになることを
こんな風にされることを
どういう思いで
見ているのか

お父さんの言葉は多くありませんでしたが
熊本地震を経験して
人さまの様子を見てきていますので
そのショックさは少し想像ができます


家主のいぬ間に物が盗まれるのは理解できても
破壊や放火は理解できないししたくない

そもそも非人間的なことが当たり前に起こるのが戦争なんですが






お母さんの他のご家族はドイツに暮らしています

「いつだってヨーロッパに行きたい
私の他の家族はみんなヨーロッパで手厚く保護されて幸せそう

でもそれを私たちは選べないの
私たちはどこにも行けない

ヨーロッパの国が許可をくれないならね
私たちには「行きたい」と申請することさえできない


それでも何も心配することがないなら
シリアに帰りたい


ここは言葉の心配はいりません
食事や文化も近いため
生活の変化はヨーロッパとは大きく違います


ベルギーでは このお父さんと同じような年齢で
フランス語を学ぶシリアのお父さんにも会いました

言葉を習得するサポートも手厚いものの
やっぱり言葉の違い、生活文化の違い、気候の違いは大きいです

それでも保護されているということは
ひとまずの安心と安全はあるものです


何がどう、と比べて人の幸福や人生は語れないし
置かれた状況の中で生きていく
ということしか今は言えません


けど
それを左右したのは
本人の意志ではなく
内政や国際社会です



「もういいけん はよ平和ば!!!!」


って強く言いたい

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